【確認方法】ロールのたわみと曲げ応力 CADTOOL

実践から学ぶ機械設計

フィルムや紙などのシート上製品を扱う製膜機械や製紙機械、または搬送用ベルトに使われるロールのたわみ、および曲げ応力の計算方法を説明します。Excelの関数を用いた計算シートでは複雑化するためフリーソフトを使用することで無料で計算できます。

上図のロールを例に計算してみます。

CADTOOLを使った計算方法をソフトの操作説明と合わせながら説明します。なお、CADTOOLのダウンロードおよび立ち上げまでの手順は次の記事をご覧にいただけたらと思います。

操作手順

CADTOOLを立ち上げます。
すでに体験版で「全機能使用可能な残り日数は0日です」となっていても機能制限体験版で十分です。

機能制限体験版をクリックします。

はりの計算をクリックします。

左ウィンドウが表示されてもOKをクリックします。

0からスタートをクリックします。

追加をクリックします。

濃い灰色画面枠に行が追加されます。
軸受けを支点に考える場合にはここを支持にします。

挿入または追加をクリックします。

↑ 行が追加されます。
軸受けからロール断面形状(サイズ)が変わる点までの距離35mmを2行目に入力します。
支持の種類は自由を選択します

↑ 同じように断面形状(サイズ)が変わる点までの距離を入力していきます。
そうすると反対側の軸受けの点まで入力し終えます。軸受けの点(No.6)の支持の種類は支持を選択します。

拡大すると左画像のようになります。
機能制限体験版の場合には節点No.6まで入力できます。

(ア)材料・断面性能のタブに切り替えます。節点1〜2までのシャフト形状&サイズ、材質を決めていきます。
(イ)形状選択をクリックします。「断面形状1選択」のウィンドウが表示されます。
(ウ)形状選択で丸鋼を選択します。シャフトが中実であれば丸鋼、中空であれば鋼管を選択します。
(エ)サイズをΦ20にします。
(オ)確定します。

材質をS45Cにします。

これで材料名称1の断面性能が決定しました。
※材料名称は任意に設定することができます。

次に節点2〜3までの断面性能を先ほどと同じように決定していきます。

ロール胴体(セル)の断面性能の場合には、形状選択で形状名称を鋼管として任意に設定することもできます。今回は外径50mm、肉厚4mmとしています。任意の数値を入力したとしても断面係数なども自動で算出してくれます。
※鋼管とシャフトは実際に、焼きばめなどで接合されていると断面形状が変わる点がもう1つありますが、ここでは無視していきます。

同じタブで材料番号を選択していきます。節点番号1~2までの材料を先ほど定義した断面性能の番号を選択します。今回は1、節点番号2~3を2・・・というように選択します。

(ア)荷重パターン定義のタブをクリックします。
(イ)荷重パターン名称を入力します。(※任意です。)
(ウ)重力加速度を1を入力します。ロールの自重を荷重条件に加味する場合に1と入力します。
(エ)分布荷重の枠で追加をクリックします。
(オ)ベルトのかかる範囲を節点3~4、ベルトテンションを2N/mmとすると、始点節点を3、終点節点を4、始点荷重および終点荷重を2と入力します。

あとは計算実行すれば結果が表示されます。最大たわみや最大曲げ応力の値が分かり、最大となる節点が表示されます。ここで安全率を下回る場合には材質やサイズを変更して再度計算実行してみましょう。

ロールにかかる荷重条件や危険回転速度、残量不釣り合い量などの計算は以下の記事からどうぞ。

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