過去の記事でそれぞれのアンカーの強度確認方法について紹介していますが、実際の設計や施工現場ではどちらを使ったら良いか、使い分けは?強度?化学成分?。。。他に確認すべきことはある?といった疑問があると思います。今回の記事はその疑問が解決できたら、と思い投稿しました。
【結論】使い分けするためのチェックポイントは4つ
化学成分
接着系アンカーに含まれる化学成分が固定する部品やその場所に適していない場合があります。成分と施工現場がいずれどんな製造設備になり、その化学成分がその後影響を及ぼさないかを考える必要があります。
強度
接着系アンカーの方が優れています。強度確認することで、金属拡張アンカーでは現実的ではない施工本数になる&狭い施工スペースのため少ない本数でアンカーを施工しなければならないことから接着系アンカーにする、といったことができるようになります。
工期
接着系アンカーでは樹脂が完全に硬化して初めてアンカー本来の強度を発揮します。その硬化時間は接着系アンカーの種類や施工したときの気温/湿度などの施工条件によって異なります。硬化に24時間かかるアンカーが各所にある場合、工期や施工順序を考えなければ計画していた工期に影響を及ぼすこともありますので十分注意が必要になります。
会社独自に考えているルール
施工業者や機械(設備メーカー)、エンジニアリング会社によっては下記のような施工ルールがあります。中でも多いルールは一番上の項目です。
- 天井取付けには接着系アンカー ←最も採用されています。
- 壁および天井取り付けには接着系アンカー
- 会社独自で決められた装置の荷重係数である数値以上には接着系アンカーなど
壁取付けの場合には片持ち梁の状態になります。そのときにかかる荷重についてはこちらを参考に…
まとめ
他にも注意するポイントがあるかと思いますが主に上記4つかと。あとは接着系アンカーの種類の中でも2液混合タイプや打ち込み式、注入式があったり、水中でも使用可能な接着系アンカーもあったりします。詳しくは日本デコラックス様のホームページの技術資料をご確認ください。
また、接着系アンカーには日本デコラックス様以外にも旭化成様の接着系アンカー「ケミカルセッター」、HILTI様の「接着系アンカー」もあります。どれが良いか、下記記事で紹介しています。
金属拡張アンカーにもオネジが設置面から飛び出るタイプ(オールアンカー)、設置面から飛び出ないメネジタイプ(グリップアンカー)などがあります。
コメント
U型水路の頂版設置であと付けアンカーで施工しますが、水路側壁幅が20cmしかない状況です。ケミカルアンカー、打込み金属拡張アンカーどちらを採用すべきですか。
ケミカルアンカー、打込み金属拡張アンカーの部材厚による使い分け基準はありますか。
教えて下さい。
コメントありがとうございます。
来週には回答いたしますので、
今しばらくお待ちください。
しんめエンジニアリング