接着系アンカーのメーカーには日本デコラックスや旭化成、HILTIなどがあり、型式の種類も多数あります。しかもメーカーごとに強度計算方法が異なるため、メーカーや型式に合わせた計算式で計算しなければならないので非常に手間です。この手間をなくすために「全メーカー&全型式対応の安全サイドに考慮された計算シートがほしい」「設計・計算工数を減らしたい」といった要望に応えられるように各メーカーの計算式を調査して、1種類の計算式で強度確認が済むように選定しました。計算工数や施工種類数の削減に役立てられればと思います。
比較条件
・穿孔径Dとアンカー筋径dの違いを10%とした。D=1.1*d
・比較対象とした旭化成の式について、穿孔の乾孔/水孔,アンカーサイズおよび型式の中で最も許容引張力が小さくなる条件とした。
・日本デコラックスおよび旭化成の計算式を比較。HILTIの計算式は調査中。
比較結果
コーン状破壊による決まる許容引張強度では日本デコラックスが安全サイドに考慮されています。樹脂のコンクリート強度に対する付着強度の式も日本デコラックスの主式の穿孔径Dを安全サイドに考慮してアンカー筋径dにすれば、この引張力の場合も日本デコラックスの式が最も安全サイドといえます。下表の赤字の式は日本デコラックスの計算式との”おおよそ”の差を書きました。なお、HILTIの計算式については調査中です。
結論(オススメの計算式)
設計・計算工数を削減して安全サイドに選定したい場合、日本デコラックスの計算式に私の経験則を交えた計算式をオススメします。
旭化成の接着系アンカーを選定したとしても、強度を十分に満たすことができるからです。私の経験則では日本デコラックスの式のPa3の式で穿孔径Dのところをアンカー筋径dに変更します。厳密な許容引張強度を求めたい場合、選定した接着系アンカーのメーカー&型式ごとにメーカー推奨の計算をオススメします。下記事は私の経験則を交えた日本デコラックスの計算式の詳細です。
まとめ
日本デコラックスの計算式に少し手を加えたものが最も設計・計算工数を減らすことができます。さらに計算式の関数を組み込んだExcelファイルをダウンロードできる環境を整えました。ダウンロードできる環境になった場合でも、まずは計算式を理解していただき計算結果が正しいかご確認&判断いただいた上、自己責任でご使用ください。計算結果に対して損害などあった場合、責任を負いかねます。ご了承ください。
ご不明点などあればお問い合わせフォームからご連絡ください。
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