すべてのエンジニアリングプラスチック、高機能樹脂(超高分子量ポリエチレン)の種類を並べると60種以上存在します。その中から、よく使用される&流通性の樹脂を紹介します。あわせて簡単な選定方法のについても説明します。
よく使用される&流通性のある樹脂
列挙すると以下の通りとなります。この中からは機械的性質をみて選定していくことになりますが、さらにその中から簡単に選定できる方法を紹介します。
6ナイロン(キャスト) 、MCナイロン(MC901相当品含む) 、ABS、PBT、PET、アクリル、スチレン、スチロール、ベークライト、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ユニレート®(快削樹脂)、塩化ビニル、超高分子ポリエチレン、ふっ素樹脂(ふっ素樹脂・PTFE・4フッ化エチレン) PAI、PEEK、PEI、PI、PPS、エポキシガラス(ガラエポ)
これらはMISUMIが取り扱う樹脂であるため基本流通性(手に入りやすい)があります。MISUMIには樹脂選定する機能もあるため、そちらを活用するのも良いでしょう。
簡易選定
機械設計の際に選定目安となれば幸いです。機械部品の一部として摺動性(低摩擦)で安価かつ軽量化を図りたいだけであればMCナイロン。設備や簡単な駆動部の透明なカバーや割れにくい材質はPET樹脂。耐薬品性&耐熱性で万能さを備えたい場合はフッ素樹脂。
機械的性質の比較
簡易選定は済んだら念のために機械的性質を数値として確認しましょう。下の表はあくまで参考値ですが簡易選定における目安にはなるかと思います。
略称 | 用途 | 引張強さ | 圧縮強さ | 密度 | 摩擦特性 | 耐摩耗性 | 耐熱温度 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
MCナイロン | 機械部品、電子部品、自動車部品、建築部材、その他 | 70-80 MPa | 70-80 MPa | 1.12-1.15 g/cm3 | 0.3-0.4 | 良好 | 80-120 ℃ |
PET | ボトル、シート、フィルム、繊維、自動車部品、電子部品、その他 | 50-100 MPa | 70-80 MPa | 1.38-1.40 g/cm3 | 0.2-0.5 | 良好 | 80-150 ℃ |
フッ素樹脂 | 電気絶縁部品、化学機器、医療機器、自動車部品、その他 | 20-40 MPa | 50-100 MPa | 2.0-2.3 g/cm3 | 0.1-0.2 | 優れている | 200-300 ℃ |
略称 | 耐候性 | 耐衝撃性 | 線膨張係数 | 加工性 | 縦弾性係数 | 横弾性係数 | 硬度 | コスト |
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MCナイロン | 普通 | 良好 | 8-10 × 10^-5 /℃ | 比較的容易 | 3.5-4.0 GPa | 3.0-3.5 GPa | 硬め | 普通 |
PET | 普通 | 良好 | 1.0-1.5 × 10^-5 /℃ | 比較的容易 | 2.5-3.0 GPa | 2.0-2.5 GPa | 普通 | 普通 |
フッ素樹脂 | 優れている | 普通 | 1.0-2.0 × 10^-5 /℃ | 比較的難しい | 1.0-1.5 GPa | 0.5-1.0 GPa | 軟らかめ | 高い |
まとめ
特に薬液に触れない、屋内で使用する機械部品で摺動性を持たせたい/軽量化したいのであれば汎用性の高いMCナイロンナイロンを使用することがほとんどです。もっと詳細設計に詳細データ必要とあれば下記リンク先に30種以上のデータを整理していますのでご確認いただければと思います。
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