ボルトの材質、被締付物の材質およびメネジが加工された母材の材質などによって締付トルクが異なります。市販のトルクレンチで締めるのであれば下記計算方法の精度で十分事足ります。厳密に計算しずぎずに適度な誤差でも対応できるような計算方法を紹介します。
計算式
日本鋲螺株式会社の計算方法を参考にしています。すべての材質組み合わせのトルク係数があるわけではないので、他の参考文献を参考にしたり、近しい値(経験則)から判断したりします。ひとまず下記計算式およびパラメータを紹介します。
赤色着色文字は経験則を意味しています。
k:トルク係数
ボルトの材質や表面処理によって決まります。下記表は代表される材質/表面処理のボルトにおけるトルク係数を一覧にしたものです。”データがありません”とは情報を収集でき次第、修正の上更新していきます。ご了承ください。
Q:締付係数
ボルトの締付方法にはボルトの伸び測定や回転角法などあり、さらに締め付ける工具はインパクトドライバーやスパナなど様々です。しかし、算出したトルクで締め付けるボルトには市販で簡単に購入でき簡単使用方法のトルクレンチが使われることがほとんどです。
あと締付係数で考えるべきはボルトに潤滑油を塗布するかどうか、です。
参考までに。。。トルクレンチでオススメなのが旭金属工業株式会社のLC ヘッド交換式プリセット型トルクレンチ。ヘッド交換式で六角スパナや六角レンチ、メガネなどにも対応しています。セット販売のものを買うのがお得かと思います。また、六角レンチに関しては他のトルクレンチと比べてヘッドサイズがコンパクトで狭いスペースでの締付にも対応できます。
σy:降伏点または耐力
各強度区分(材質)の降伏点または耐力を一覧表にしました。各材質の機械的性質を一覧表にして下記記事にアップしました。参考までにご活用ください。
As:有効断面積
各ボルトサイズごとに有効断面積を算出して一覧表にしました。
計算シート
まとめ
ボルトの締付トルク計算方法をネットで調べようとすると係数算出方法が異なったり、またはメーカー独自の計算方法であったり、どれが最も適切なのか、混乱することがあります。トルクレンチで締付トルクを管理する程度であれば上記計算方法で十分かと思います。参考になればと思います。また、情報収集していく中で気づきなどあれば随時更新していきますので何卒よろしくお願いします。
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