【簡易設計】設計事例から決める嵌合

実践から学ぶ機械設計

部品の用途(仕様)によって、隙間嵌め、中間嵌め、しまり嵌めと異なります。転がり軸受やすべり軸受などの市販品には取付相手部品の推奨公差が決められていることがあるため、市販品の仕様やカタログに記載されている情報を参考にしてください。ここでは、それ以外または特殊な環境下における嵌合について紹介します。簡易設計(目安)としてお使いください。

位置決め

位置決めに使用されるピン、平行キーについては、用途によって異なります。フレームやよく取り付け取り外しするジグの位置決め用としてはH7/h6一度取り付けたらなかなか取り外すことのない&より精度の良い位置決め用としてはH7/m6位置決めピンの公差が小数点第一位ほどの精度であれば例+0.2~0/-0.05~-0.2程度。市販品で公差が決められているようであれば、取付相手の公差を前述の例に決定するのが良いかと思います。

摺動

往復や直線的な稼働のガイドとして隙間嵌めする部品がいくつかあります。市販品では無給油ブッシュ、平行キー、フラットバーなどで摺動ガイドを設計することもあります。無給油ブッシュなどの市販品の場合も前述のように取付相手の推奨の嵌め合い公差が記載されていますのでそちらを参照ください。平行キーで摺動ガイドを設計する場合にはH7/e6とすることがあり、このときの材質は可動側は通常のCACや無給油タイプのCAC、銅などを使用することがあります。歯車では小さい方が硬度を高くする傾向がありますが、摺動の場合には摺動製が良い材質でかつ消耗品として使用することが多いです。消耗品としての使用となるためオイレス工業やMISUMIなどのの市販部品を使うと良いかと思います。より精度が求められる直線的な運動は嵌合公差で決めるのではなくLMガイドを使用することが多いです。

軸受け

転がり軸受けや滑り軸受けなどの市販品に関しては、冒頭でも記述しましたが取付相手の推奨嵌め合い(公差)が記載されています。例えば、MISUMIの無給油ブッシュは以下のように記載されています。

MISUMIから抜粋
MISUMIから抜粋
MISUMIから抜粋

駆動伝達

モーター軸に取付けられるカップリングは中間嵌めを採用することが多いかと思います。製膜やベルト用ロールなどの大径軸(例φ50)はあえて中間嵌めとせずに締め代1/100~3/100を設けることがあります。確実な駆動伝達をするためにキーだけでなく軸外径の締め代の軸内外径の摩擦も利用します。締め代の計算方法は企業独自の基準を社内規格しとしていることが多く、その理由は用途や経験則から成るためです。

熱膨張を考慮した嵌め合い

温度の高い環境下で使用する場合には、使用温度における材質ごとの熱膨張した寸法で設計します。ドライヤや恒温槽などの加温設備におけるロールのベアリングの外径に取付けられるハウジングの内径公差についてはG7~F7にすることが多いです。

まとめ

中途半端な情報減になってしまいましたが有力な情報を入手でき次第、当記事に追記していこうかと思います。

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