回転体の危険回転速度(共振)の計算方法や危険回転速度を避ける方法などについて紹介します。
計算式
危険速度域の決め方
ロールの回転速度がロールの固有値に近づくと共振を起こし、大きく振れ回って振動や大きなたわみによって、ロール本体や軸受けに大きなダメージを与えます。その固有値のことを「危険回転速度」といいます。この危険速度で使用しないことを設計段階で確認します。
危険速度に徐々に近づいたら、徐々に触れ回りが大きくなるため危険速度”域”を次のように定めることがあります。企業によって、あるいは回転体によって危険速度域の範囲を変えていることもあります。
使用回転数が1.3Ncを超える場合、その回転数に達するまでの間に危険回転速度域を通過するため、振動や大きな振れが発生しますので注意が必要です。最も安全な設計は危険速度域”未満”での使用とすることです。
危険速度域:0.8Nc<N<1.3Nc
危険速度域を避ける方法
次のような対策があります。すでに製作したロールが危険回転速度域であれば使用回転速度を変更することが望ましいです。計算式からも分かるように設計段階で変更できる箇所は静荷重でのたわみ量です。たわみ量に影響するのは②に示す項目です。これら、いずれか、または組み合わせてたわみ量を変化させることで危険回転速度域を変更させることができます。
①使用回転速度を変更する
②ロール質量 / 構造 / ロールサイズ / 長さ / 軸径いずれかを変更して、たわみ量を変える
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お役に立てれば幸いです。他に必要な計算式などのご要望がございましたらアンケートにご回答いただければ順次対応していこうかと思いますので何卒よろしくお願いいたします。
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